今日は、朝から雲底が低く朝のブリーフィングの段階で天候不順のためタスクはキャンセルされた。案として、「ミューシーに行って、そこから飛んでシャモニーに戻ってくる。」というのがあったが、あまりにも雲底が低いのでやめたみたいだ。
今日こそ、エギュードミディに登らなければ!と、豪君、宮田さん、俺の3人で防寒着など諸々をもってチケット売り場に行った。今日は、「視界ゼロ」の看板は出ていない。テレキャビン(大きなゴンドラみたいなの)に乗りこみ、ザックの中に入れていたバリオのスイッチを入れた。「ピー、ピー、ピ、、、」最初は、毎秒2mぐらいだったが最高の所で毎秒6mを超えた。これが意味している事は、かなりの傾斜角で上がっているという事だ。
頂上付近に近づくと、まるで、岩の壁を垂直に上がっているのではないか?と錯覚するぐらいだった。だれが、どうやってこのテレキャビンを作ったのだろうか?すごいよ!
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ゴンドラから
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エギュードミディから見たモンブラン
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念願の頂上に着くと、下界では想像できない寒さとちょっとだけ酸素が薄い感じがした。「3842m」スペインでは、5000m近くの所を飛んだのにこっちの方が絶対迫力ある。頂上は、まさに、自然のパノラマだ。遥か下方にシャモニーの街が見え、テイクオフの山も下方にある。不思議な感覚。俺達が飛んでいる世界が高いと思っていたのに、小さい小さいものである。
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しょう「う〜さむ」
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ここから見るモンブランは、ふっくらと焼けた餅のようだ。実際に頂上に行くには大変なんだろうけど、観ているだけならそんな感じだ。テレキャビンを降り、階段を上がると展望台があってレストランもある。そして驚きは、こんな高い山に穴掘って、洞窟を掘り、エレベーターを設置して本当の山頂に、簡単に行く事が出来る。誰が?何の為?穴まで掘ったのか?酸素は薄いのに。大変やで、こりゃ。
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山頂レストハウス
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登山者
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山頂レストランで、温かいコーヒーを飲んでいると、窓の外ではこのテレキャビ ンの中間駅からテイクオフして雲の上と氷河の上を飛んで行く機体がいるではないか!2500m付近の話だが、すごく気持ちが良さそうだし気流も安定していて徐々にガスも晴れてきている。
「あー飛びたい!」最初に吼えたのは宮田さんだった。
「時間は、3時過ぎ。今から機体を取りにいって間に合うだろうか?」
「そんな話をしている暇があったらまず行動!」
「急いで取って戻ってきて5時か、、、昨日は、5時頃良かったんだよな。」
「でも、リフト代もったいないよな。」
「そうやなー」
気持ちは、飛びたい一心だが色々考えるとネ。そんな中、知っている選手の人が耳よりの情報を教えてくれた。「ランディング場に行ったら、チケット貰えるよ。」やった!即決や!即効で、機体を取って上がって黄昏の中を飛びました。
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グレゴリー
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宮田さんとモンブラン
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ここは、昨日レースの終盤で飛んだ空域なのだがゆっくり見る暇がなかったので今日はゆっくり景色を楽しんだ。 エギュードミディーの景色も最高だが、動く景色の方が楽しい。氷河の上を飛んだりしながら穏やかなアーベント上昇気流で、バックにはモンブランがある。綺麗だ。
俺達って、最高の遊び道具を持っているとおもう。良い風が吹くと飛びたくなる。そして、飛びたくなったら自分の翼で飛ぶ事が出来るのだ。すばらしいことだ。ほんま。
あしたも良い天気だぜ!