フライトレポート ―こいつぁはる新春から縁起がいいじょ♪

by みき めぐみ


岩屋2年生になりました。
みやみや、はまちゃん、いくちゃん…を筆頭に、とっても味わい深いメンバーのそろった同級生チーム03(ゼロサン)のみんなはとっても元気です。
(ちなみに、なおちゃん、ノリちゃん、エリちゃんと美人さんが多いのもチーム03の特徴だったりします。)
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

<どうも ありがとう m(_ _)m>
フライトレポートを書くにあたって、初めに、たくさんの人にお礼を言いたいと思います。
まず、正ちゃん。最後の最後まで追跡&ご指導をありがとうございました。
ときおり飛んでくる手厳しい言葉に気分はすっかり"アタックNo.1"…
テイクオフのタイミング・コース取り・より効率のいいセンタリング・移動の判断・発達段階に応じた雲の使い方・無駄のないグライディング等々等々
濃縮還元ぎゅぎゅっと中身の詰まった、本当に得るべきモノの多いフライトになりました。
自分のモノにするにはまだまだ修行が必要だけれど、その前の週にダメだしを受けて1週間凹みまくったへなちょこ"センタリング"&"ピッチコントロール"はちょびっとくらい改善された…でしょうか?(^_^;)
それから、校長先生に長野さん。
正ちゃんの追跡を快く許してくださってありがとうございました。途中『真冬の1月にこんなに飛べたんだからもうジュウブン・・・』なんて少し気弱になっていた私ですが、あのとき無線から聞こえた声でビシっと渇が入りました。
それからそれから、お〜た先生。
もし2機いっしょに飛んでいなかったら、あんな風にリフトを探して移動したりはゼッタイにできなかったし、なによりもさみしくなかった。また、いっしょに飛んでくださいね。

---パラは"一人"で飛んでいるようで"独り"じゃない--- あたりまえだけれど、そのことを強く強く感じたフライトでした。

2004年1月18日(日)
<コンディション>※記憶違いがあったらご指摘ください。
天気予報では、降水確率30%の晴れ→曇り。
1月18日の天気図はこちら→http://www.weathermap.co.jp/kishojin/diary/200401/20040118.php3
風予報は、午前中 北がらみ弱め→お昼頃 東強めになって→午後からは南〜南西っぽく。
実際もだいたい予報どおり。違うのは、東風は"強め"ではなかったことと南〜南西からの雲の張り出しが思いのほか早かったこと。

<テイクオフ>
昨日までの雪雲は去り、まぶしい青空にはすでに美味しそうなサーマル雲。新雪サクサク白銀の南テイクオフの除雪も、今日は本井式"波板"活用法でとっても効率がいい♪
10時過ぎにフライト開始。校長先生のタンデム、練習生さん、パイロット…バンバンコンディションとはいかないけれど、みんなそれなりにトップアウト。
ランディングの正ちゃんからは『いつでも出られるように準備しておきなさい。』と無線がはいる。今日のハッピーアワーは11時半からの30分間らしい。
最後まで雪かきに夢中になっていた良行や私も、金川さんのBoomerangUが優雅に一番高いところを飛んでいるのをアタマの上に感じながら急いで準備。一斉に並びはじめた列にようやくとりついたと思ったら、鉄塔上空に発達した大きな雲のせいで南テイクオフはすっぽり日陰になってしまった。
『ヤバイ…乗り遅れちゃった???』(~_~)克服したい課題をいくつか抱えて、今日は朝から飛びたいモードにスイッチが入ってた私。
さっきまで順調だったサーマルブローもなくなり、テイクオフの風はすっかりヘロヘロ…そんな中、どうしてもリバースで出たい人たちの風待ちがあったりして…
12:07にようやくT.O.
『お願い!なんか残ってて。』祈るような思いで、岩屋観音上空で復活の兆しを見せ初めたお〜た先生の黄色いAeronともう一機のガグルの下にすべり込む。
『それを外したら後はないと思え!』 正ちゃんからも檄が飛ぶ。
産毛(うぶげ)のようなサーマルのしっぽをそ〜っと手繰り寄せて、大事にこねこね…こねこね…こねこね…南テイクオフ前でしっかり上げといて、と。
タイミングはギリギリセーフだったみたい。どうにか落ちこぼれることなく、910m(a.s.l.)で鉄塔方向に移動開始。
狙うは岩屋山南斜面のサーマル。一直線に鉄塔上空へ。

<鉄塔>
『金川さ〜ん、今、下からお〜た先生と恵ちゃんが上がっていくから待ってたら?え〜っ。一人で行っちゃうの??か〜なが〜わさ〜ん!』
結局、先に上げていた金川さんたち数機は山頂にできた雲を使ってさらに高度を稼ぎ、カヤマチ山、水山→安全山にと、ほうぼうに散らばっていってしまった。
あら、先に行っちゃうんですね。さみしぃ…このあいだの扇澤さんはとりあえず3回までは待ってくれたのに ^_^;
さっきのやわやわ産毛系と比べたらかなりしっかりと上がってくる南斜面からのリフト("剛毛"まではいかない…言うなれば"マックスの毛"くらいだろうか?)に気をよくしながら1100m(a.s.l.)付近の雲底にとりつく。お〜た先生も同じような空域でぽよよ〜んとステイ。
『動くにはまだちょっと早いな。雲底はさらに上がると思います。どうする?そこでステイするか、大箕山に突っ込んでみるのも手やけど…』と(正)コーチからの無線。
何気にジリジリ高度を落としてるのがどうにもさっきから気になってる。カヤマチ山、安全山方面は一面雲に覆われてしまったし…今、唯一日射があるのは大箕山。
『南方面全部シャドウになったので大箕山に向かいます。』
『はい。了解。波多野さんが一人カキーンって上げてるわ。』 波多野さんがそっちにつけてるならダイジョウブ。"間違いない"。

<大箕山>
ずいぶん高度を落としちゃった…400m(a.s.l.)で大箕山中腹に到着。南東斜面に突っ込むと、それまでだんまりを決め込んでいたバリオが思い出したように騒ぎ出す。ピ ・ピ ・ピ …
そのまま一気に大箕山をトップアウト。さらに1000m(a.s.l.)を越えたあたりからぐんっと視野が広がり、それと同時に空気が凍てつく。
『きれ〜いっ!』 でも 『さむ〜いっ!!』
雲海をまとった福知山方面の山々。アタマ一つ飛び出てるのは"烏岳"(カラスダケ?)やってさっき長野さんが教えてくれたっけ。雪雲たなびく氷ノ山、蘇武岳、扇ノ山。遠くにキラキラ光って見えるのはひょっとして日本海?!
『めっちゃきれいやな〜っ!パラやっててよかったわ〜っ!!』と、私の感動に呼応してくれるかのようにお〜た先生からの無線。
『今日は飛んでたら気持ちいいやろな〜って思うよ。オレも飛びたいもん。』 (正)コーチは次のルートを探して砕石場上空の様子をクルマで見に行ってくれてる。
『恵ちゃん、そのまま雲の縁を飛んでたらいいよ。雲突き抜けたらブロッケン現象が見られるかもしれない!』
ブロッケン現象!!!
昨年末、朝霧で見た初ブロッケン。でも、そのときは手を離すのがコワイくらい荒れてて写真が撮れなかった。しかも"ブロッケン現象"っていう言葉がなかなかでてこなくって『ブロッコリーでもないし、フランケンでもないし、ドッペルゲンガーでもないし、ドップラー効果でもないし、チンダル現象でもないし…(どんどん離れていっている…(>_<))』とごじゃごじゃ考えてるうちに終わってしまっていた。
そんなわけで、ぜひ写真を!と思って息巻いたのだけれど、今回はそこまで上げきるまでに移動開始の指示。
ブロッケン君、また今度ね。

<ゆり山>
(正)コーチ 『ゆり山の尾根上に出来てる雲が見えるやろ?よく考えて、一番、上がりのよさそうな雲の下をねらいなさい。』
ゆり山のピークから南西方向に延びる稜線上に雲がぽこぽこ3ぽこぽこ。たぶん、底の色がコユくって平らなのがよいはず。(違ったっけ?)
大箕山で1300m(a.s.l.)で離れて、ゆり山へGo!
先行するお〜た先生をトレース。大箕山からゆり山は思いのほか遠くって630m(a.s.l.)で到着。でも、黄色いAeronが目標の雲の下で予想通りのリフトにヒットするのを見てるので安心して動ける。なんてありがたいんだろう♪…と、ホッとしたのもつかの間…
(正)コーチのセンタリング"虎の穴"スタート!
『風下に流されすぎ!!』 あ!!ホンマや。アゲンストで少し戻してっと…
『コアに入ったら小さく回す!』 小さくね。小さく。
『2機で回してるんだろう。お互いが対角線上に入るようにスペースとスピードを考えて!』 お〜た先生、回しにくかったらごめんっ!
『ほら、そこで煽られない!!』 ピッチング抑えてっと。(>_<)
『バンク足りない!!!しっかり体重いれなさい!』 は〜いっ。
『サーマルは掴んだらゼッタイに離したらダメだぞ!!自分のグライダーが風をグリップしてるイメージが大事だ!!!』
OK。リョウカイ。風を掴んでるイメージね…そういえば、時速80km/hのクルマの窓からだした手が空気を掴む感触はCカップだなんてテレビで言ってたっけ?(邪念多すぎ…(^_^;))
無我夢中で回していると、あっという間に雲底1240m(a.s.l.)
ふぅ〜っ…。さすがにちょっと疲れたな〜。手もかじかんで、指先の感覚もほとんどないし。
『五台山、行けそうだな。校長、五台山までもうちょっと追跡誘導しようと思うんだけどいいでしょうか?』
『いいよ〜。(↑)テイクオフとランディングはオレと長野さんで見るから。こんな機会は滅多にないから行ってあげなさい。』
え?!五台山?いいのかな?正ちゃんを二人占めしててちょっと心苦しいんだけど…
『校長、正ちゃん、長野さん!皆様、応援ありがとう!行かせていただきます、五台山。頑張ってちゃんとリターンするからね。』

<五台山>
去年のGW以来の五台山。そういえば、あのときは安全山から本田さんのΩがいっしょに飛んでくれてたんだった。やっぱり上手な先輩がたくさんいるっていいな〜…(しみじみ)
800m(a.s.l.)で西の稜線の突端へ。上空には私たちを待っててくれたかのようなぽっかり雲♪さっきの"虎の穴"で鍛えられたせいか、お〜た先生とのセンタリングも心なしかスムーズで回してても楽し〜い(^-^)(私だけかな?)
そのまま尾根上をトラバース。お〜た先生といっしょに飛んでるから2機で探り探りしながらいけるし、下からは(正)コーチが見守ってくれているのでなんだかとっても心強い。
そして、ついに五台山ピークに到達!
『五台山とったどぉぉぉぉ〜っ!!!』(cf 1ヶ月1万円生活の濱口優)と叫んでみたい気分♪

<リターン>
五台山の新春★お祝い★サーマルはお土産付き。ピークの南東斜面から上がるどっしり安定したリフトに乗っかって1200m(a.s.l.)まで回復。
『もうダイジョウブだな。あとは楽しんで飛んでください。』と、最後の最後まで見届けてくれた(正)コーチは颯爽とランクルで職場復帰。思えば先週は扇澤さんがいっしょに飛んでくれて、今週は正ちゃんがつきっきりで指導してくれて…なんとも贅沢なこと♪
『正ちゃん、ありがとう!今日はホンマに飛んでて楽しかったわ。メグリンもありがとうな!』ワングライドでランディングを目指していくお〜た先生。
いえいえ、こちらこそありがとうございました。飛びながら、黄と赤の2機のグライダーはちょっと気の早いチューリップみたいやな〜なんて思ったりして。そういえば今日のサーマルもちょっと気の早い"春"一番…目?

<ランディング>
南風にのって帰ってきました岩屋山。雪解けでぬかるんだメインを避けて、河原に無事にランディング。
みんなにお出迎えしてもらった私もかなり笑っていましたが、一気に緊張と寒さの緩んだ私の膝もまた相当笑ってました。(^-^)

時は1月。でも、春はもうすぐそこまで来てるみたいです。
こいつぁ新春から縁起がいいじょ♪



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