オーストラリア Bright 後編 (18/02/03〜大会終了まで)


大会は、8日間の日程で行われる。
初日は、若干ケムリでもやっているものの、レースが成立した。
コンディションは、風が強めでサーマルはあまり強くない。スピードラン(自分でベストと思う時間にスタートをきれる)で、 計算方式もいつもと違う「オージーギャップ」という計算式で、簡単に説明すると、早くスタートして早くゴールすれば得点が高いというものだ。 普通ならば、先行グループをじっくりみて遅く行けば良いのだけど、これは公平ではないよね。おれは、普通の方式は嫌いだ。

TASK-1

そんなこんなで、レースが始まったわけ。コンディションは風が強めなのが気になるが、概ね良好。問題は、どのポジションでレースをこなすかだ。最初から先行するのはリスクがあるので 最初に行った集団の5分から10分後にスタートして、2つ目のターンポイントで追い抜いて先行することにした。
戦略どおりに進めたが、あまりにも簡単に行きすぎた。「しまった!」と思ったときには行きすぎていた(先行しすぎる=リスクをともなう低空域)。 結果、風が強くなったもののゴールは1名と少ない。オレは最終ターンポイントまでいけなかったよ。

あー、失敗したね。あそこでじっくり上げていけば良かったのに。なんて思っていてもどうしようもないから、次回はトップを取ります!

夜は、今日のフライトを振り返る。GPSデーターをSeeYou(フライトデーターの解析をするソフト)を使って秘密の研究をして、良かった点悪かった点を考察する。 去年にはなかったことだ。己を知り敵を知ればおのずと道は見えてくる。やり方は、企業秘密です。




↑どまんなか!TASK2が始まる前にとった写真

TASK-2

昨日に続き、コンディションは良好。煙は少ない。それでも、視程は10km以下。 これはどのくらいかというと、うーん、大阪市内から生駒山山頂が見えないくらいかな?ともかく、 全体の動きをみることは重要なのでクリアのほどいいのだな。
さてさて、タスクは55kmとオーストラリアにしては短いけど、まぁいいんじゃない?ショートタスク=ワンミスが命取り。短期決戦だから集中力を高めなければ!

前回のタスクからの教訓としては、オレ自身の持っているスピードは参加選手の中で速い方なので先行集団にすぐに追いつく。ということは、前回のように1つ前の集団に追いついてしまったら先が無いので、自分の前に2つほど集団を行かせてから行けば良いのでは?

というわけで、戦略を立ててたのしく飛びました。結果はぶっちぎりトップでした。

参考に、辻選手と自分のデーターを比較してみました。

オレ・・・12:27分スタート→14:15分ゴール 平均時速30km 使ったサーマル13個
サーマルセンタリング時間 32分 ストレートフライト1時間15分

辻選手・・・12:48分スタート→14:49分ゴール 平均時速27km 使ったサーマル13個
サーマルセンタリング時間 31分 ストレートフライト1時間29分 

なにが違うのかというと、まっすぐ飛んでいる時間が14分も違うのだ。オレのほうがラインを気にせずまっすぐ飛んだ結果こうなったのだろう。もしくは、グライディングスピードが違うのかもしれない。

こうして、フライトを解析することがオレにとって今一番上達する道だと思っている。そのうちTAK Schoolで講習する予定だ。こうご期待!


2月18日以降はケムリに悩まされる毎日になった。
と、いうのも、南風が吹くとケムリだらけになる。それまでは弱いながらも北風だったからなんとかなった。で、いまはなんともならない!それで悩んだオーガナイザーは 場所を変えてやりましょう!と。この大勢いる参加者が午前中までに移動できるか?まず無理でしょう。出来たとしてもタスクを組むとなれば、、、
それでも飛べないよりはマシなので行きましたよ。北のエリアに、ケムリから逃れるように、、、
エリアは、小高い丘が東西に10kmほど続き、南北は平野部。悪くないよ。俺たちがエリアについところにはダミーパイロットがすでにトップアウトして 空高く舞い上がっていた。推定1400m上空にいるだろう。さっさとテイクオフへ上がって準備をしよう!
しかしかがら、テイクオフについて30分後、風が強めなのでフリーフライトになった。
オレが飛んだときには毎秒8m以上の風になっていて、とてもじゃないけど我慢して飛ぶ雰囲気ではなかった。エリアの南側には、さらなる強風の兆しとも言えるケムリが 迫ってきている。せっかくやつから逃げてきたのに!くそ!くそ!くそ!!



またあくる日は、2時間ほどドライブしたところでのフライトになった。
オーガナイザーに連れられていったエリアは、冗談きついエリアだった。山はだだっぴろくて良いのだけど、ちょっとね、、、
風は、フォローだし、山は低め。どないすんねん!と、いまさらオーガナイザーをせめてもしょうがないのだ。それだけしか能力がないのだからね。 結局、キャンセル。俺たちは、別のエリアでフライトすることにした。
コンディションは、最高だったよ!2400mまで上昇して、逆転層をちょっと突き破って写真を見てもらったらわかるように、青と灰色の世界はすばらしかった。 どこまでも飛んでいけるような気になったので、コレチャン(ロシアの人だけど日本語が堪能)とつるんで走った。目的は、GPSで飛行ルートとサーマルセンタリングの 差を解析するべく一緒に走った。それで、これまたドラマチックだったんだな。10kmほど飛んだ先の山で二人とも低くなって、コレチャンは山チン寸前の高度まで 下がってしまい、おまけに山すそが長いときたもんだ!どうするコレチャン?オレはつれてきた責任があるからもし山チンしても助けれるように考えながら飛んだ。 結局、難を逃れ無事広いところに着陸したのだが、回収車は来る様子は無い。ヒッチハイクしかない。と、そのとき、近くで見ていたおじさんが「おめーたち、どっからきた?」 なんてのりでメインの道まで送ってくれることになったのだ。ラッキーである。このおじさんは、ボルボのエンジンの開発をしているそうで、昔はバルーンをやっていた らしく、空には関心があるお人なのだなもし。

というわけで、無事帰路につくことが出来た。

 

 

 

 



TASK3は、距離のみのレースとなり俺は、3位だったけど全体的な得点は低く順位の変化は少なかった。
TASK4は、良いレースだったのに、途中でシャワー(雨)になっているのでタスクキャンセル(ジャパンカップ同様、ゴール者がいない場合はタスクストップではなく キャンセルになる。)。オレは、トップで回っていたのに!アー残念!!!

と、いうわけで、総合成績では、オレが1位で辻さんが3位でフィニッシュ。
初戦を勝利で飾ったので、今年も幸先が良さそうだ。
うれしいことに、扇澤さんから「ジンさんがとても喜んでいる。ブーメラン3の初陣を勝ってくれてありがとう!」とメールが届いた。
競技というのは、自分独りでは勝利できない。たくさんの人たちの応援があって成り立つ、そう実感した勝利であった。

問題は、このあとのレースにある。140名の参加者で、フラットランド。過去の実績からいうと1995年7位、2001年準優勝だけど、今回は勝てるだろうか?新しい翼で、ぶっちぎりの勝利を達成できるのだろうか?勝てる要素は多いが、当たり前のように勝てるのだろうか?当たり前に勝つこととは一番難しいよ。まじで!

勝って兜の緒をしめろ!



[ホームへ] [インデックスへ]