PWC 第一戦 メキシコ編 その10 (02/01/16)


2002年 Paragliding World Cup 第一戦 メキシコ編 その10

1月16日 TASK4

AM9:30 定時にバスが出発した。大会で使用しているバスは3台。大型観光バスが2台と、スクールバスを改造したものが1台。快適な観光バスでテイクオフまで行くのが一番好ましいのだが、途中から10分ほど機体を担いで歩かなければならない。TASK2では何とかこのバスでテイクオフまで行ったのだが、次の日、牧草地の中ほどでスタックして動けなくなってしまって、その区間は徒歩になった。それで、遅くて狭いスクールバスだったら直接テイクオフまで行けるとなってそれに乗る事にした。とても原始的なバスだけどオレはレトロチックなこのバスが好きだね。

さて、天気は今日も晴れ。風は穏やか。ただ、逆転層のほうは強そうで、渋いレースになりそうだ。
南に30kmほどの所にある4000m級の単独峰を見ると、目測3000mレベルで積雲が発生している。この山は、高いからいつも早い時間に雲が出来てその日のコンディションを見るのに良い目安になっている。
今日も逆転層が強いからといって、その山を見た感じでは良さそうだった。

昼頃に決まったタスクは、5km先のスタートポイントを通過して60km北北東にある大きな湖(水がある)のほとりの街「チャパラ」を目指すと、いうモノだった。キーポイントは、台地から15km平野を越えてT.O.2のある山脈へ辿り着くためのルートだった。その山脈へ辿り着けば、ちょうどその頃、西日が山にあたってよい上昇気流が発生しあとは楽に展開できるはずだったのだが、、、

PM13:10 テイクオフゲートオープン
テイクオフしてからスタートするまで、しっかり高度を稼いでじっくりスタート時間を待つ。
台地の上でウエイティングしていた機体は、数機。その中に、オギとオレがいた。スタートラインは、45番のターンポイントから半径3kmのラインでGPSにより計測される。GPSを見ると、45番まで何キロあるかわかる。オギと二人でサーマルを追いかけているうちにスタートラインの内側に入りすぎていた。それは別にいいのだけど、徐々にサーマルのないポイントへ行ってしまった。それでもじっと息をひそめながらサーマルに爪を立ててスタート時間を待つ。これが長い。

PM13:55 レーススタート
ポジションは、まぁまぁだ。しかし、コンディションが渋くて、リッヂ沿いに走るのが難しい。ほとんどのパイロットは慎重に行った。オレは、トップ集団を見送り、その状況を見ながらセカンド集団で駒を進めた。
台地を離れる為のサーマルポイントで、じっくり高度を稼いで(なんだかレースっぽくないナ、根競べかな?)15kmの平野部を渡る。前回渡った時は、ど真ん中を突き抜けて下降気流にはまった経験があるので今回はロスの少ないコースを行って山間部へ辿り着いたが、サーマルがない。そこでトップ集団に追いついた。

「みんなでサーマルを探そうぜ!」と、いう雰囲気で探す事15分。山のどん詰まりの辺鄙なところでカキーンと上がっている機体を発見した。若干のリスクはあったけど、なんとかオレもそこで上がった。内心ほっとした。そこで3700mまで上げきって一気に湖沿いにある山へ行った。情報では、そこへ行けば西日があたって良い上昇気流にめぐり合えるはずが、そんなに世の中甘くなかった。

なーんもあらへん。湖は綺麗だったけど、ゴールへいけなんだら意味ないで。ほんまに。

せっかく合流したトップ集団は全滅。ゴールまであと10kmに降りた。次に来たセカンド集団は俺達よりもう少し先まで行った。コンディションは夕方にかけてよくなっている様子だ。サード集団はさらに遠くへ行っている。それで途絶えてしまった。
なんだか急いできてみてあほらしーなったわ。結果は、40位でした。

その後、一旦ゴールへ行ってそこからバスでタパルパへ戻った。今日は5人ゴールしたそうだ。
「今日は、タパルパまで3時間はかかりそうだ。バスとパラとどっちが速いかなぁ。」そりゃバスでしょう。
しかし!そのバスは途中で故障した。エンジンからオイルが吹き零れている。どうしようもないそうだ。
近くのバーで2時間、救出バスが来るのを待った。

アクシデントだけど、これって馬が道端の草を食っている、そう、道草を食う事といっしょかなぁ?

 

ちなみに、この写真に映っている「E」のマークは、駐車禁止の標し。駐馬はいいのだ。

 

 

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