PWC 第一戦 メキシコ編 その8 (02/01/14)


2002年 Paragliding World Cup 第一戦 メキシコ編 その8

1月14日 TASK2

今日も快晴。そういえば、早朝ケタール(その3参照)の意味だが「ご機嫌いかが?」だった。と言う事は、「ご機嫌いかが?(うしろで鶏がコケコッコーと鳴く)」となる。コケコッコーを聞くと、チックタックの漫才を思い出す。それにしても、なんなのよ?

大会主催者の話では、金曜日まで天気がいいとか。しかし、日本のように正確な天気予報があるわけではなく、サテライト(日本では、ひまわりの画像)は端っこの方にメキシコがあって、地球は丸いゆえに雲は曲がって見える。天気図はなくて、代わりに温度分布と気圧配置が簡単に表示されているもののみ発表されている。日本のようにかわりやすい天気ではないので、これぐらい大雑把にわかればいいのかもしれない。

さて、大会の方は、、、

天候は、快晴。雲ひとつない。2200mのテイクオフから見た雰囲気では、逆転層が強そうで、これが上昇気流を押さえつけてしまってレースとしてはシビアなものになると予想された。
決まったタスクは、63.3kmのアウト∩リターンだった。ゲートオープン(テイクオフをしてもよい時間)は14:15で、サーマルが一番活発な時間帯を選んだというわけだ。レーススタートは、15:00。
練習日での経験から考えると、14:00過ぎると上空のサーマルは活発になる。しかし、太陽は西日になっていく為、東向きの斜面(基本的にエリアがその向きなのだ)はサーマル活動があまりよくない。

はたして、どこまで行けるのやら、、、

14:15 「Window is open!」の声がかかり、次々とテイクオフしていく。コンディションは渋い。しかし、ランディングまで一直線、というわけでもない。なんとかレベルキープできるし、何機か200mほどトップアウト(テイクオフより高い位置にいることをいう)しているので、じっくり様子を見てスタート30分前にテイクオフした。出てからは、調子よく上昇してスタートポイントまで4km飛んでいってゲートが開くのを待った。ゲートといっても、競馬のように柵があるわけではない。選手全員が持っているGPSに表示されている時計を使って、決められた時間に、決められたポイントを通過してレースが始まるという仕組みだ。
もし、フライングしてしまったらその日は最低点になってしまう。これは大会本部にあるPCでチェックできるのだ。

オレは、良いタイミングでスタートしてトップ集団にからんで2番目のターンポイント(以下、T.P.)に向かった。練習日に飛んだことある方向だ。コンディションは、あの時よりも渋い。ジワジワ上げてはちょっと進み、慎重に駒を進めた。2番目T.P.を通過する頃は、獲得した高度は残りわずかしかなかった。
それでも、その集団は先に行くのでオレは後に続く。
T.P.通過後は、サバイバルゲームになった。

対地高度200m。わずかなサーマルも見逃さない。レベルキープが精一杯だが、ここで降りるわけにはいかない。そこへ一昨年の覇者「アンディーヘディガー」が来た。ヤツも苦しんでいる。オレも苦しい。降りてしまう、と思えばすぐに灼熱の地上が近づいてくる。こんな時は、平常心を維持する事が最重要なのだ。
そこへ地元フライヤーの猛禽類の鳥が数羽来た。オレの少し風上側でセンターリングしている。こちらより、上昇率が良さそうだ。一瞬迷ったが、これがオレの性分なのさ、行ってしまった。

だまされた。

バリオがあまり普及されていなかった8年前。鳥達を見て上昇気流を探していた時代があった。
よくだまされた。
上がっていると思って行ったら、やつらは「ばーか、こっちはないよーんだ。」と言わんばかりに飛んでいってしまう。
今回も同じだった。やられた。すぐ降りてしまったのだ。


トップのレネ

飛行距離は、21.3kmでタスクの3分の1しか飛べなかった。順位は、59位であった。

その後のレースは、この渋いコンディションの中、30人ほど上げなおして先へ進んでいった。ゴールまで飛んできたパイロットはいなかったが、最低限飛行しなければレースとして認められない距離をぎりぎり越えて、レースは成立した。まさにサバイバルゲームだった。

1位は、次のターンポイントを周って高く帰ってきた、同じチームのレネ(スイス)。飛行距離は、53.4km。2位は、扇澤さん。

ところで、今年からチームランキングを新たに採用する事になった。初日は、ルールが変更になったりしていたので採用されなかったが、2日目の今日から採用されている。
ルールはシンプルで、男3人女1人を1グループにして、一つのタスク(レース)で、チーム中での順位が2番目の人の順位を競うものだ。
例えば、今日の場合では、タスクの順位はレネが1位でオギが2位。チームの中ではオギが2番目だからオギの順位が重要になる。もしも、オギ(No2)のタスク順位が悪ければチームのポイントも悪くなる。
もちろん、この日は文句なしのトップ。点数は、1位20点、2位17点、3位15点、、、となっている。
常に上位10位にチーム2人入っていなければならない。

そうゆうわけで、俺達はチームで1位というポジションになった。

タスク地図へ


[ホームへ] [インデックスへ]