PWC 第一戦 メキシコ編 その7 の2 (02/01/13)


2002年 Paragliding World Cup 第一戦 メキシコ編 その7の2

1月13日(日曜日) 

その2 いよいよスタート。

このエリアは、メインで使うエリアの北東に位置し、高低差800mほどの高い山が南北に50kmほど続き、おもに西向きの斜面なので夕方のフライトに適している。テイクオフは、難しい風の吹くクリフ(崖)に向かって飛び立つ。機体をセットする場所が、クリフに対してほぼ直角なので風が吹くと風がまく。ビルの屋上のようなものだ。飛べばHappy間違いなし。風もいいし、ウインドダミーもスイスイ飛んでいる。

2002年ワールドカップ第一戦、初日のタスクは、59,5kmでテイクオフから5km先のスタートポイントを通過後に山伝いに南下して再びテイクオフへリターンしそのまま北上して山から離れた所にあるターンポイントを通過後およそ10km先のゴールへ行く。
一見簡単なのだが、時は15時を過ぎている。テイクオフしてもよい時間は15:20で、スタート時間は16:20。平均時速30kmで飛んでも2時間かかる。2時間後は日没寸前である。ゴールクローズは、通常ならば何時か決まっているのだが、この日は「Sunset」とタスクボードに記載されていた。

テイクオフの時間が来て次々と飛んでいく、はずだったが、前記しているように非常に風が難しく、みんな苦労している。オレは3回失敗して挙句の果てラインを2本切ってしまった。ブレークの端っこのラインだったので、結んだだけの補修だった。何とかテイクオフして時計を見ると、スタートまでわずか20分。それまでに高度を稼いで5km先まで飛んでいかなければならない。焦る。しかし、試合に慣れている俺は、ここで焦るというマイナスのセルフイメージを作ってはいけない事をよく知っている。焦らずベストの飛びをすれば良い。すると、驚くほど良い調子でスタートまでたどり着いた。

16:20 RACE START 
高度は完璧。ポジションも最高だ。スタート後の、レースの中で一番大切な「最初のサーマルポイント」に、良い高度でたどり着いてトップ集団の中でレースを展開できた。
山を伝って南下し、次のターンポイントに向かう頃、コンバージェンスラインがターンポイントまで続いていて、最高高度3700mで寒かったけど楽勝でリターンした。先行して低くリターンしたグループは山に戻った頃にすごく低くなって苦しんでいる模様。オレはその上を飛び越えていけてテイクオフへは3番手で戻った。時は、6時前で日没が近い。もう3700mまで上がる事はないだろう。リッヂソアリングで少し上げて、ゴールは到底無理そうなので1mでも高く上げて最終パイロンへ向かい、距離を伸ばすように飛んだ。
それがファイナルグライドだった。

最終パイロンを対地高度約100mで通過し、少しでも距離が伸びるように飛んだ。わずかに距離を伸ばす事が出来たが、それが精一杯だった。

地平線に日が沈んでゆく。今日は、色々あったなぁ。

結果はどうあれ、全力を尽くしたゾ。だからこれでいいのだ。

この日のゴール者はなし。トップは、53.1km飛んだ。
オレは、51.4km飛んで12位だった。まずまずのポイントだナ。

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