PWC 第一戦 メキシコ編 その7 の1 (02/01/13)


2002年 Paragliding World Cup 第一戦 メキシコ編 その7の1

1月13日(日曜日) 

その1 テイクオフへの道のり

AM9:00 大会本部にてブリーフィングが行われた。今日のスケジュールや、天候の説明がある。
明け方まで降り続いた雨は、その頃にはやんでいて、一昨日吹き荒れた西風の影響が少し残っているので練習日に使った事のない西向きの山へ行く事になった。

これが、長い旅の始まりとは、知る由もなかった。

普通の観光バスに乗って台地を降りて、広大な、湖の中心部付近にある高速道路を走る。その湖は、普段水がなく、雨季になってようやく膝下ぐらいまで水がたまるらしい。それも数日でなくなるそうだ。だから、湖の中心部に土を盛り上げて道を作ってもなんら影響がないようだ。
それが、昨日雨が降ったおかげか、水のないはずの湖がうっすら水を蓄え、地平線の彼方まで広がる鏡の上をバスが走ってゆくような、そして、湖面は上空の空や付近の山が映って、なんともいえない不思議で幻想的な気分になった。

しばらくすると、バスは、湖縦断の途中で東に進路を変えた。これがまたアスファルトの道ではなく、少し硬い土で観光バスはスタックしないように慎重に走った。こんなところ走っても大丈夫なのだろうか?四駆ならまだしも、乗用車だったらきついよ、これは。そのうちバスが止まった。湖の真中まではいかないが、それに近い。徒歩で湖岸まで行くには遠い距離だし、25kgもあるパラザックを担いで行くのは辛い。
そんな不安がよぎったが、なんとかクリア。

 

なんとか、テイクオフの麓までたどり着いたのは出発から2時間後だった。
それですんなりテイクオフへ行けるかと思ったら、道がわからない様子だ。あっちこっち走ってようやく道らしき場所へたどり着いたら、今度は「これから、山道だけど途中20分歩かなければならないけどそれでもいいか?」だと。そんなんよくないにきまっているやろ!しかし、手段はそれしかなかった。
50人ぐらい乗せた観光バスが山道をあがる。
変な匂いがする。多分クラッチが焼けてきているのだろう。バスに人が満載なのでハーフクラッチとかしながら必死に走っているからだ。これは絶対にやばい!そのうち、道が削れて大きな溝みたいになったところに車輪がはまり動かなくなった。今度は、押さないといけないのか?溝に石を詰めたりして何とかリカバリーしたが、やはりクラッチがダメになった。バスは、今度こそ動かなくなった。

「パラを置いて、歩いて途中まで上がって下さい。途中からは車でピストンしますから。パラは必ずテイクオフへ届けます。」
文句をたらふく言ってやりたいが、いまは争っている場合ではない。
テクテク歩いていると後ろから来た四駆の兄ちゃんが乗っていくか?という。もちろんYesだが、乗ると言うか車の横にあるステップに乗って車に引っ付いている感じで途中まで上がった。なんともメキシコらしいよ。
山のピークの稜線部に着くと、そこからは稜線を縦走してテイクオフへ行く、というものだったが車は3台しかなく順番を待つこと20分、今度は、バスから自分の機材を取りに行ってくれ、という。もちろん車で行くのだけど。本当は、ここまでなんとかバスが上がってくる予定だったようだ。
さっさと取りに行って、ようやくウエイティングポイントからトラックに乗ったのは午後2時。
聞くところによると、最終便だそうだ。
やっとテイクオフへ行ける。と、思ったら細い山道をふさぐ車を発見。故障して動けなくなったようだ。今度こそ歩いて行けと言う。そうでしょうね。それが早いかも。しかし、アミーゴは道の横の藪に道を作り、俺も石の除けたりしてなんとかクリアし、やっとテイクオフへついた。出発から5時間経っていた。

着いてすぐにタスクのブリーフィングが始まった。

つづく。


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