見て感じて2001年スペイン世界選手権 その2 (01/06/29-)


6月29日 Task7 82km

 今回は早めにスタートが切られた。14時20分、正一郎が先頭切って、Take off。ドイツTeamのTop引き、ボードーが立ち上げにもたついていると、「ボードー、 はよ来いよ!」と関西弁で正一郎が飛び立っていく。

 我々は1500mの丘へ移動して、NEVADA山脈を一望する。3200mの高度で第一パイロンを取り、Take off上空に戻ったTop集団、日本Teamの黄色のブーメランが4機見える。サポート隊は大喜びだった。そして、いよいよ北に向けて、フライトコースを取ろうとした時、正一郎が「翼端折りしてパラが降下してゆくが、何でしょうか?」と、無線。「フリーで飛んでいる人だろう。気にせず行け!」

 その時は「そうそう、頑張って飛べよ。」と思っていた。『Task stop!』と、オフィシャル無線が入る。信じられない。何が起きたんだ!日本Teamを勝たせない陰謀か?いろいろな憶測が乱れ飛ぶ。結果は北風が強くなるから中止との事。せっかく日本Teamがいいポジションにいたのに残念。

 早くレースが終わったのと、いよいよ明日が大会最終日なので、グラナダの町にあるデパートに行き、大量に魚貝類とワインを買ってその夜は、選手もStaffもGinさんもパラより団子で楽しんだ。正一郎は禁酒を守っていた。それで調子が今一つだったのかな?

6月30日 最終日 task8 49.7km

 朝のミーティング、Teamリーダー半谷さんは気迫せまるものがあった。 「いいか!今日で最終日だ。悔いのない様に頑張れ!」

 2800mのTakeoffは逆転層の上になる。1200mのTakeoffに変更。日本Teamを優位なスタートポジションにセットさせる為に、サポート隊のカーレースが始まった。こうなると、MAZDA4WDはダートの急斜面をものともせずせり上がり、どの国よりも早く日本Team7機のパラをベストポジションに広げてしまう。 2800mから降りてきたら、暑いというより熱い。アチチ♪アチ♪なのである。日陰なんて全然ない。

最終日T.O 正一郎
T.O前 良太と
T.O

 この日もドイツのボードー、正一郎が先頭切ってTakeoff。140機近いガグルが出来てエアースタート。

 逆転層のTOP、3000m迄しか上昇しないのも興味あることだ。1時間30分位でゴールを目指すTop集団が見えてきた。マサイ族以上の視力を持つTeamリーダーの半谷さんは、「オギ、辻、正一郎、川地だ。」と言いきる。途中で上昇できなかったタミガー〔個人2位〕とTopの3機が我々の頭上に戻り上げ直している。ちょっとした判断ミスで、彼らですら失敗するこのレースの難しさを目の当たりにした。

 オギが低空だが、上位でゴールを目指している時、「あっ、オリバーが潰されました。僕もリタイアします。」と無線。「大丈夫だ、オギ!もっと谷の中を行け!」とTeamリーダー。ハラハラドキドキで谷底を覗く。黄色のパラが超低空飛行をしている。でも、なんとかゴールしたようだ。オギ、無事で良かったよ!本当に!

 そうこうしている内に次は川地さん。「ダムの島に降りました。」「えっ!」 後日、Ginさんと話していたら、川地さんもGinさんもTop集団で、この日1位のハンスより早いグループで飛んでいたが、ハンスさんだけがいきなりコースを変更してうまくいった。自分達は幸か不幸か、降下?するばかり。ダムの半島のような陸の孤島に降りたのが10名近く。この中に女子チャンプのルイーズもいて、彼女は水着になって泳ぎ、ルートを見つけようとしたがダメ。Ginさんらは崖を登ろうとしたがダメ。世界のTopパイロットが声をそろえて、「困った、困った。どうしよう。」と言っている時、なんとカヌーが救出に来た。

 昨年、ハンスさん、ルイーズとTAKに来たスイスTeamのキャスパーさん。皆で叫んだ。『オー!ランボー!』まるで、映画の1シーンのようだ。ちなみに、キャスパーのシューズは37センチある。

 その上空を超えて、辻さん、正一郎、宮田さん、田中さん、水沼さんがゴールに向かって行った。  ゴールには、2週間戦い抜いた空飛ぶ戦士のとてもいい笑顔があった。正一郎も、今まで見た事もない晴れ晴れとしたいい顔だった。

ガグルの下にタミー
ガグル

おまけ ガグルの写真は649*480,1024*768も用意してありますので、ぜひ壁紙に使ってください。

 


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