サンバ♪丹波、産婆 (99/08/25)


 ここ丹波地方は毎年8月のお盆休み明けとなると、町が競い合うように花火を上げて夏祭りをする。イベントがかち合わないようにしているので、連日花火ブー状態。事の始まりは8/21の青垣町佐治川夏祭りのイベント仮装大会にTAKも出場してくれないかとゆう手紙を世話役の方からいただいた。

 兵庫県と青垣町の行事には積極的に協力しようとゆう方針のTAKとしては断る理由はなかったので2つ返事で引き受けた。といっても何をするのかはI have no idea であった。

 30代の頃、ダイエーの専門店、スポーツワールド33(神戸市三ノ宮)のアドバイザーをしていた時に神戸祭りに100名のローラスケーターのパレードを企画、成功させた実績があるので、妙な自信はあったし、祭りは好きだったレッスンの合間いろいろアイデアを思いめぐらしていた。今、時代はインラインスケート。インラインスケートと何かをジョイントさせる。リズムはラテン系がいいかなぁ。

 そんなある日 Dr.岡本さんが飛びにきた遠征前の正一郎の親知らずを容赦なく抜いてくれたらしい。親知らず。

 多趣味でダンスもやっていると聞いていたので『岡本さんSamba』教室と化し20名近いTAKさんが岡本さんを先頭にあやしげな踊の集団となった。Sambaというより盆踊り。

 今回の出し物はSambaパレードとインラインスケートのパフォーマンス。これで決まりだ。インラインスケートはキタッチ、グッチー、ユミのサンバカトリオにおまかせでいい。これだけではつまらない何かオチをつけよう。サンバ、産婆?そうだ!おれが産婆の役をしよう。体の大きい中浦ちゃんのナースウェアーを借りればいい。男どもは体にボディーペイントを塗って腰ミノをつければ誰でも参加できる。それから、イメージVTRをガルルちゃんに探してきてもらう。借りてきたのはなんと『ネパール密林原住民の踊り』である。なんじゃこれ。

 いよいよ8月21日朝、キタッチが見つけてきたSambaのCDをがんがんかけて、準備に入る。ボディーペイントは平井ちゃんが東急ハンズから買ってきた。そして中浦ちゃんのナースウェアーは思った通りLLサイズ。無理に着てみるが脱げない。不運にもオレには小さい。変わりにエリちゃんがいつのまにか着てはしゃいでいる。おまけに背中に天使の翼までついてカワユイ白衣の天使。みんなに悪意の天使とはやしたてられている。

 産婆の役は、きまりで赤ちゃん役のかわいいお人形はパラ狂いの主婦、とよ子お姉さんが持って来てくれた。今回は主婦合格。

 スクール事務所はおもちゃ箱をひっくり返した騒ぎにこの日、ダンロップ社内報の取材に来た2人の姉さん達は目を丸くしている。日本を代表するパラのコンペティター松永さんもなぜかこの日TAKに来ていて『ボクもこんな事が大好きなんですよね−、早く言ってくれれば、いろいろ持って来たのに』と言いながら早くも顔をメイクしてサンバダンサーもどきに早変わりして、すでに手にマラカスを持って曲に合わせて踊っているではないか。

 その松永さんにまじめにコンペの話を聞きに来た岩谷君。これ又運良く頭はすでにラテン系にそめている。岩谷君についてきたYokoちゃんはTAKの男どもがだれもわからなかったナースキャップの組み立てをあっとゆう間にしてくれた。全員、おーすげ−と驚嘆の声。手品みたい。彼女はナースの先生をしているのだから当たり前だ。これまたYokoさんもパラの大会でいためた手術間もないヒザを引きずって参加。イタイタしい。さぁやるぞ! 男どもは上半身裸になってボディーペイントぬりまくり、顔はラテン系にメイク。サンバカトリオのスケートチームはユミちゃんと手をつなぎぐるぐる回って絶好調の調整。出発前の最終ミーティング。

『ともかく、ノリしかないので、リズムにのって体と足の動きをとめるなよ!イエイー』

 なぜか、集合場所の駐在所前まで、ワイワイとくり出す。Sambaのリズム、バリバリのPA?担当は教員の長野さんと清水さん。

 集合時間、8時頃になるとゾロゾロと各チームが集まってくる。お〜〜立派な衣装ばっかり。係りの方に聞けば10チーム200名もいると言う。プラカードを見るとSambaの裏には産婆と書いてあるが、チーム名がない。あわててYukaが駐在所に飛び込んでマジックインキを借りる。こまった時の駐在所。パレードは出発した。夜店がのきを並べ、ゆかた姿も多く夏祭りだ。

 TAKチームは際立って、にぎやかでびっくりして引いてしまう方が多い中、夜店のお兄さんお姉さんにはうけていました。30分程ねり歩き、中兵庫信用金庫の駐車場にやってきた。ここで各チーム3分間パフォーマンスをして、ギャラリーにジャッジしてもらう。

 5番目いよいよ出番だ。呼び出しはそろばん日本一になったことのある青垣町の広瀬さん。『TAKチームどうぞ!』ひるむな行け、である。勢いとノリだけのTAKはともかく元気良く踊りまくった。サンバカトリオのスケートチームは抜群のリズムとスピードだ。子供達が大喜び。2分ぐらい踊りまくったので、最後に『なんで、Sambaかと言うと、産婆で〜す』とスピーチすると打ち合わせ通り、平井ちゃんがプラカードをくるりと回す、産婆となる。若き産婆役のエリちゃんが赤ちゃんもどきの人形を抱いて、踊りながらジャッジ席にハイビスカスとひまわりのペーパーフラワーを渡したところで『終了!』あざやかに技をきめて立ち去る。2分もないパフォーマンスにPA担当の清水さんだけ一人とりのこされ、あわてて戻ってくる。

 表彰式。ひょっとして優勝かもと、てゆぅかさんがほえている。ビニールテープの衣装代だけで、それはないと思うが、ノリと元気はどこにも負けなかった。結果はすごかったで賞。いただいた、町内のみの商品券は焼肉とビールに化けた。夜空の花火のごとく消えた。

 月曜日、定休日ながらイプシロン3を試乗するので、入山ノートに記帳しに観光協会へと行くと町の長老の方々が、『やあ、良かった良かった、よくやった』と絶賛して神戸新聞朝刊を見せてくれた。そこには、TAKチームがあたかも優勝したかのように写真入で出ていた。いつの間にかフォーカスされていた俺達って丹波の有名人。記事は上半身裸の男性陣は元気良く踊っていたと。もし、誤植で上が下となったら大変だった。

 来年からTAKの公式行事とする。来年の出し物はNAMNO No.5 おっさん、おっさんこれナンボ。へいマンボ。NAMBO、MANBO、NANBO。手にはソロバンを持って曲はマンボNo.5。

 これで、商売繁盛まちがいなし。

オレって天才。


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