燃える男の赤いトラクター (99/05/26)


 オモチャは子供達だけのものではなく、いい大人になっても人それぞれあるもんだ。特に男にとって、それは宝物の様なもの。スクール生で車好きのSatoちゃんは仕事もBike Shop。Satoちゃんのオモチャの一つに公道を走れる真赤なバギー。一度乗せてよと言っていたら、今朝は早、スクールの横にとまっているではありませんか!

 狭いコックピットの中に体を押し込んで座る。シートベルトを閉めると、グライダーに乗った時を思い出す。なるほどPilotと横に書いてあるではないか。エンジンはスイッチ一つでバリバリ... ゴーカートに乗っているようで、おせじにも乗り心地は良いとは言えず、おまけに横のマフラーからハイガスを吸って気分が悪くなる。気まぐれなお願いをするから、Satoちゃんがしんどい思いをして京都から乗って来てくれたのだと思うと申し訳ない気分になる。空き地でグルグル走り回ってみる。なかなか♪Fun Fun ♪Fun。さすがHONDA! HONDA!。

 スクールに戻ると、トライアルバイク出身の自称大海ダコ、2000年岩屋XCの優勝予定者でもある足立博文がごつい体を無理矢理、コックピットに押し込んでどこかへぶっ飛んで行ってしまった。しばらくしてエンジン音がするので、大海ダコが無事帰って来たのかな?と外を見ると、そこには巨大な、真っ赤なバギーがとまっている。良く見ると、この町一番の米作りをしているマルキンさんと、燃える男の赤いトラクターではありませんか。 『おーい!今年のTAK農園はどうするんや?』と、マルキンさん。
『今年は子育て忙しいので休みます。』と、Yuka。
『そうかわかった!』と、燃える男の赤いトラクターに乗ったマルキンさんは、トラクターの中から流れる太田ひろみの♪木綿のハンカチと共に、これ又いずこへと消え、入れ替わりに大海ダコがバリバリ...と、真赤なバギーで帰ってきた。

 フライトの合間、バイク好き、車好きなTAKの皆さんが、いっぱいバギーに乗って楽しませてもらった。夕方、Satoちゃんが『校長、置いていきましょうか?』と言ってくれたけど、彼の大切なオモチャなので、又貸してもらうことにする。これに乗って京都まで帰るのは大変だなぁと、思っていたら、どこからともなく軽トラで現われて、あっと言う間にバギーを積んで『ホンナ、さいなら!』とあざやかに帰っていった。

 見送って思った。後ろ姿は小亀の背中に大亀を乗せている様で、おかしかった。本田壮一郎さんの夢の産物の一つ。Satoちゃん、大事なオモチャを貸してくれて、ありがとう。おかげで楽しかった。翔大(5才)、隆大(3才)にもいつも言っている。借りたオモチャはすぐ返しなさいと!



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