三寒四温の岩屋山 (99/02/20)


 YETIオザキさんのナマステ(ネパール語でコンニチハ)で始まった、2/12〜2/18までの一週間の岩屋山の様子を、冬眠中のTAKの皆様へ実況中継でお届けいたします。この期間は、まさに春を迎えることわざの、三寒四温を実証した一週間でした。

2/12(金)

 小雪降る中では、さすがのTAKも飛べない。YETIに10年ぶりのスキー写真を撮影してもらうためOYAへ行った。午後、目の前の1500mの山、氷ノ山の上空に巨大な雪雲が発生してきたので帰路につく。夜には雪。さすがYETI。

2/13(土)

 YETI現象で、ホワイトパークと化した講習場にてSKI&BORDで遊ぶ。山は風が強く飛べないが、明日のために道路をラッセルし、TOを除雪。

2/14(日)

 バレンタインデー。私は40個の板チョコに「LOVE TAK!」と書いて、全員に手渡した。さすがに男どもは照れている。北西の風、3〜5m/s。時々強めで、リッジソアリングのコンディション。多い方で3本。全員フライト。

 山々を登る途中、子鹿のバンビが、ウルウルした目でこちらを見て立ちすくんでいる。おや?と首をかしげて私を見ている。親と思ったのかな。

2/15(月)

 スクールは休みだが、とてもおだやかな晴天だったので、これまた休みの地モッピー、恵一君を誘ってTOへ、2回フライト。しぶいサーマルタイミングを2回はずし、すっ飛ぶ。蔀さん、常陰さんは、目測で1300Mゲーン。今日は山に登る時、2回とも同じ所でイノシシの子供ウリ坊と御対面。チョコ、チョコ、チョコレート!と走り回ってカワイイ!!!。連日、日がわりの動物シリーズ。午後は天気がくずれてきた。

 土、日はレッスンで遊んでやれない子供とYUKAを連れて、天橋立近くの岩滝の温水プールへとでかけた。ファミリーサービスってやつ。道中、鬼が住む大江山の峠は、すごい積雪。但馬の方も、スキー場は大喜びの積雪だった。そのため今回の雪は、西から東に吹いた風で降ったものだというのが分かる。季節風の気まぐれな方向のため、おかげでこちらは少ない積雪。SKIはだめでもSKYにはgood。ここ青垣はもう全然雪がない。

2/16(火)

 朝からドッピリカーンの晴天。スチューデントも5名と少ない。

 サーマルブローの穏やかな内に全員飛ばし、thermalのタイミングを見てtake off。HPの中に連載中の新基礎講座に書いている内容通りの気流をシミュレートしながらフライトしていく。おもしろいように上昇。まるで、それは数学の問題をスラスラと解答してるようだ。300mゲーンしたところで、もっと強いthermalを求めて、南の大斜面上空へと移動する。南斜面はかけらの雪もなく春の陽だまりといった感じ。いい気持ちになっていると、おだまり!の一発。ガツンとゲンコツthermal。なんと6m/s。

 冬眠中のTAKの皆さんこれです。これ!

 暦の上では2月中旬でも太陽と地球のサイクルでは春の息吹なのです。上昇が途切れる所まで上昇し空を見渡すと、白い機体が福知山を目指して飛行している。じっと観察しながら後をついて行くが、途中上昇する気配もないので戻り、青垣盆地の南斜面でしばらく浮遊する。今日の所はまだ距離飛行には少し早いみたいだし、スチューデントも待っているのでランディングに向かう。結局ランディング後、スチューデントを3回も飛ばしたが、冬眠から醒めて間もないのか全員がミス。

 年功序列で言うと、山下さんオープン・ザ・エアーバッグ。大倉さんパラの積み忘れ。坪倉さんラインキンク。とどめは、小泉さんのスタチン。おまけに大部さん無線機忘れ。トホホホ、、、、、。皆さん冬ぼけ。

2/17(水)

 素晴らしいBlueSky。気温もぐんぐん上昇。南TOで南中時には22度まで上昇。北風と太陽の童話を思い出し、冬の重い着物を脱ぎ捨てて上半身だけ裸になる。それぐらい暑かった。

 11:30サーマルブローを狙ってマダム鹿野さん南よりtake off。横からロールアウトの加藤さんが続いてtake off。2機は同一方向より同じサーマルに入り、ゆっくりと旋回して上昇。当然の事ながら、鹿野さんと加藤さんの差はどんどん離れていく。加藤さんはいつの間にか目測で1500mは越えている。鹿野さんの方は、春の陽射しの中のんびりとソアーリング。私も早く飛びたいが、ヒナ鳥達がTOでピヨピヨしているので職場放棄できない。

 つらい!ストレスが音を立てて溜まっていく。

 take offはサーマルブローを拾って飛ばすので、全員を飛ばすにはかなり時間がかかった。やっと全員を飛ばし終わって時計を見るとPM2:00。暑い中、飲まず・食わず・飛べず。すごいストレスを溜めてしまった。お腹は我慢できても、飛べないのは我慢できない。

 先にランディングした連中が、車回収に上がってきた。マダム鹿野さんから飲み物と遅ればせのチョコ。なぜか、サッポログランドホテルのホワイト生チョコ。サッポロのミウラドルフィンズのイベントで時々行ったホテルで懐かしい。ともかく、こんな時のチョコは最高!テイネ山のドルフィンズの皆さんお元気かな。

 TAKはこうしたピヨピヨひな鳥達に手を焼きながらも、空の道なんか教えがんばってるし。ミウラドルフィンズOBの扇澤郁さんは、世界を目指して正一郎達とアルゼンチン。お茶を一気に飲み干しチョコをむさぼり食べてたら、MAX8m/sの風。もう飛べない。今日もよくやったと自分をほめて、人生思い通りにならない事もあるよとOfficeに帰る。15分ほど、死んだように眠る。

 電話のベル。「生きて帰って来たで!」正一郎だ。アルゼンチンから帰ってきた。結果は無事!!!!アルゼンチンと言えば、今日の読売新聞に通貨をペソから米ドルに切り替えるらしいと記事が出ていた。なーるペソなあ。この先ドルなるやろうな。アルゼンチンの子供。

以上!この一週間の岩屋でした。

 フライト確率は約60%。偶然三寒四温でした。このような春の兆しの岩屋山です。でもご安心ください。練習生に優しいタダノは、冬ぼけのスチューデント対策として、トレーニングメニューを用意してお待ちしております。

 春先に多いアクシデントはスタチンです。ライズアップ時の、とっさのサーマルブロー対応のためにも、しっかりしたライズアップトレーニングとリフレッシュトレーニングをして山に上がりましょう。ちょっと怖い、でもおもしろいサーマルシーズンがcoming soon!

北斜面1 北斜面2
雪の残る岩屋山の北斜面

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