真夏に読む年賀状 (98/08/28)


 レッスンの合い間、家で昼めしを食べていると、ユカが真夏というのに、いままでの年賀状を整理して!と葉書の束をバサリとテーブルの上に置く。「ナヌ!?」と横目で見ながら昼めしを食べ終わる。

 さーてと目を通し始める。お正月、あれこれ忙しく、ゆっくり読めないので、新たな発見があったりする。その中に英文(日本語の訳も付いている)の1枚の普通葉書が目にとまった。かつてパラを教えた、アメリカ人のロバート君からのものだ。

 何度か読み返して、オレは夏の暑さもぶっ飛ぶ程、感動した。

The following was written 500 years ago.
" For once you have tasted flight
you will walk the Earth with
your eyes turned skyward,
for there you have been
and there you long to return."
Leonardo da Vinci (1452-1519)


下の詩は500年前に書かれたものです。
『かつて飛ぶことの喜びを味わった者は、
地上を歩く時、いつも空を見上げるだろう。
なぜなら、君は、そこにいたことがあり
又、戻りたいと切望するからだ。』
 レオナルド・ダ・ビンチ (1452-1519)

 ダ・ビンチはひそかに、パラグライダーの様な翼をつくり上げて、人目のつかない所で、テスト飛行をくり返していたのではないかと想像してしまう。感性で書かれた詩だ。

 夏の暑い昼下がり。気まぐれで年賀状を整理させてくれたユカに感謝する。

 おかげで、天才は忘れた頃にやってきてくれたのだ。

  ありがとう! ダ・ビンチさん。


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