「フライトレポート」 BY みきめぐみ (03/03/02)


ミナサン、ハジメマシテ♪

TAK山奥留学生(XPCコース)ノ みきめぐみ ト申シマス。イゴ、ヨロシウ見知リオキクダサイマシ。ぺこり〜<(_ _)>

2003年3月2日(日)

 今年はなんだか週末毎の天気の巡りがイマイチよろしくない。 それでも冬から春にかけて年間5ヶ月も飛べなくなるスキー場をホームエリアとして育ってきた私にとっては、この時期に飛べるだけでも本当にありがたくって『幸せ♪』って思ってしまう。

 朝から久々に晴れ渡った青空。山頂のブンブン北西風はここしばらくシツコク居座っていた冬型の最後の悪あがき?でも、お昼からはずいぶん落ち着いてくるはず・・・と午前中はみんなでグリーンパークで立ち上げをして過ごしていました。

 いざ、山頂。西テイクオフ。
 次々と羽を広げて飛び立つグライダー。どんどん高度を稼いでさっさとどこかに飛び去っていく機体、あっさりランディングに向う機体、と、思ったら見事復活を遂げて再びあげていく機体・・・ まだ岩屋フライト本数シングルの私は先輩方の軌跡を目で追っかけつつお昼ご飯を食べてからゆっくりセット。

 北西から西の風3m/s。リバースでライズアップ。 まずは右に流して、南テイクオフ上空でソアリングしてる数機の機体に混じってみる。

 なんとなくぽこぽこっとしたリフトは感じるものの・・・ん〜?レベルキープがせいいっぱいなん? じたばたしているとさらに状況は悪化・・・いかんせん、これはなんとも・・・渋すぎる。

『あ〜ん(>_<)もう、アカンかも。今年にはいって週末ばっかりねらいうちのように天気が悪くって、ひさしぶりにお日様の下でフライトできると思ったら、こ〜んなに渋いってどういうことよっ?!渋いのは中年紳士と渋皮モンブランだけで十分やってば。』 と、わけのわからない悪態をついているうちにも、いっしょにソアリングしていた機体が一機また一機とその空域を離れてランディング方向に向かっていってしまった。さみしぃ・・・(T_T)

『もうちょっとだけ頑張ろう。それでもダメなら見切りをつけてランディングしてリフライトで上げてもらえばいいや。』 そう決めたとたんなんだか妙に落ち着いた私。 機体をなるべくフラットに、丁寧に丁寧にリフトを拾うよう気持ちを集中させる。 すると、自分のまわりの空気が、さっきとは少しずつ変わってきてることに気がついた。

『これって、さっきまで虚弱体質気味だったサーマルが順調に育ってきてるってことやんね?』 自問自答に近いつぶやきに、ライザーを通して持ち上げられるハーネスが答える。 ちょっぴり遅れてバリオも答える。ピピピのピ・・・

 ちょうど南テイクオフの真上くらいでセンタリング開始。
 今日は2日の偶数日なので右旋回。←実は右旋回が苦手な私。(>_<)
 +2〜3m/sの穏やかで品の良いサーマルに思わず笑みがこぼれた。

『今、岩屋の山頂で上げてる赤い機体はめぐみちゃんかい?』 あ。校長先生の声だ♪
『は〜い。そうで〜す。』 『非常によい感じだね〜。そのまま尾根を外さないように鉄塔に向かってセンタリングを続けて。』 『は〜い。了解です。』 そうそう、オーストラリアに発つ前の座学で正一郎さんが教えてくれた。
<ゼッタイ、尾根線上をキープすること>
その時に、ホワイトボードに描かれた絵のイメージのまま西テイクオフ上空を高い高度でスルー。

 さくさくっと高度を稼いでどこかに飛び去っていく赤い機体(春日インターまで飛んでった杉本さん?)と白い機体を見送りながらセンタリングを続けて、ついに岩屋山山頂の赤白しましまタワー上空に到着!ここなら岩屋山全体が一望できる。

そっか〜、岩屋山ってこんな形してたんや!

 タワーを中心にして尾根が四方に延びてて、谷間はあそことあそこ。"丹波少年"のグランドがあの辺なんだっけ?
  で、周りを取り囲む山は…え〜っと、前山と大箕山はわかるわかる、で、谷をはさんであれが粟鹿山かな?加古川の下流方向には安全山があって…
  これまで、地図や3Dの画像(でも、あくまでも平面)でしかみたことがなかった地形を一つ一つ確かめるようにして目に焼き付けていく。 これぞまさに"鳥瞰図"(The Bird's-eye View)!

『TAK各局、現在位置、高度を教えてください。めぐみちゃんは1100ってところかな?』と、再び校長先生。
『ちょうど、鉄塔の上空にいます。高度は…』と、ここで一瞬固まる。しまった…バリオのALTを岩屋仕様にしてなかったんだ…(^_^;) え〜っと、テイクオフが430m(私が育ってきたエリアのa.g.lで固定してあった)でスタートしてて、今が920mを越えたところを示してるんだから…引き算すると… 『テ、テイクオフ+500くらいです。』 『そっか。こちらからの目測だけど高度はばっちりあってるね。』むむむむ。先生はさらっとおっしゃったけど…目測でピタリと当ててしまうのはすごい!

『もうちょっと上げれそう?』 『たぶん、いけると思います。』
『今、吉川さんが粟鹿で1500まで上げてるって無線がはいってきてたからもうちょっと頑張って。それと、北西風と日照であっためられた南斜面からのサーマルブローがぶつかってシアーラインができてるからね。もう少ししたら荒れるかもしれないけれど、そこを上げきればまた安定空域に入るから。』 『は〜い。了解です。』

 その無線のあとしばらく警戒しつつセンタリングを続けていくと、きっちり"荒れた"空域の洗礼が待ち構えていました。う〜ん、校長先生オソルベシ…
  そんな荒れたところをなんとかやり過ごすと、そこからは本当にどっしりと安定した空域。しかも、+4〜5m/sでどこでも上がる超極楽飛行♪赤白しましまタワー記念に写真撮っとこう!デジカメデジカメ♪

 

 気が付けば、あれほど血気盛んだったバリオの上昇音が次第に落ち着きをとりもどしてて雲底が近いことを示してる。

『その辺が雲底みたいだね?』 無線で登場、校長先生。
でも、もうどんなにピタリと当たっても驚きませんよ。ワタクシ。
『テイクオフから+800くらいです。』
『1400か1450mか…高度は十分だね。それでは、タスクを与えます。岩屋山頂を出発して前山-大箕山を周回するコースにでてみよう!』 わ〜い、お出かけだ〜っ(^-^)V なぜか気分はすっかり"初めてのお使い"…

『前山に向かって、アクセル踏んで出てきて。』
ブレークコードを引いて機首を前山に向ける。風に流されないように偏流修正角も考えて…っと。 機体をグライドさせてるあいだ、いまさらながらに一つの疑問が浮かんできた。
『そういえば、先生はどこにおられるんだろう?』 最初はランディングだと思ってた。 でも、さっき『ランディングの風を報告してください。』っていう無線がはいってたから、この考えは却下。んじゃ、ショップの双眼鏡から??でも、今日はたくさんの練習生の人も体験コースのPuneetさんもおられるし…あ、ってことは、グリーンパーク?!そっか、さっきからず〜っと、グリーンパークで見てはったんや…

 岩屋山を離れて、TAKショップ上空を通過。前山につけると今度は左に90度ターン。 前山の尾根づたいにアンテナがいっぱい立ってる大箕山を目指します。でも、前山についたとたんにコンスタントに-3m/s前後のいや〜な感じのシンク帯。
  かなり余裕があったはずなのにあっというまに高度ロス。ありゃりゃりゃ… ランディングに向かうには十分な高度。でも、どこかで上げなおさなくちゃ大箕山がとれても岩屋山には戻れない…周回コースはとにもかくに戻らないと意味がないと思うし。 とにかくお日様のあたっている南斜面をつき進む…と、大箕山山頂のほんの少し手前で急に風が変わって機体がゆれだした。サーマル??それも左っかわにある!

『そこだっ、左に回せ!周りに誰もいないんだから旋回方向は気にしなくっていいよ。』 校長先生の無線の声と思いのほかゆったりと安定したサーマルに励まされながら岩屋山山頂に戻るための高度を無事回復♪約1000mで大箕山を離脱して岩屋山にリターン。

 今度はあんまり高度ロスせずに戻ってこられた岩屋山。きっちり真上から西テイクオフを確認…
"My task is now complete!"
  はやる気持ちを抑えながら、一呼吸おいて帰還報告。
『岩屋のテイクオフに戻ってきました。ありがとうございました♪』
『よく頑張りました!まだ高度はあるようだからゆっくりクールダウンしてください。』と校長先生からのねぎらいのお言葉。

 じわじわ〜っとこみ上げてくる充足感で思わず浮かんでくる満面笑み。ぐふふふ(^‐^)V ちょっとアヤすぃフライヤーと化した私は、しばしな〜んにも考えずに赤白タワーの周りをくるくると景色を楽しみながら飛んで心もカラダもクールダウン。
  高源寺側からのアプローチで無事にランディング。ふ〜っ。楽しかった♪ 2003年1月から岩屋で飛び始めて、この日で8本目。末広がりでまさにヨ・ロ・コ・ビ〜♪なフライトになりました。

 的確な指示を出しつづけてくださった校長先生、ランディングで笑顔で迎えてくださったユカさんはじめスクールの皆さん、座学で知恵をつけてくださった正一郎さん、『今日の一等賞!』って誉めてくれたノンちゃんにてゆうかさん、本当にありがとうございました。

 きっと、これが初めの第一歩。
  これからもビシビシご指導よろしくお願いいたします。ぺこり〜<(_ _)>

テイクオフ時刻 12:57:11
フライト時間   1:13:21
最大上昇率     7m/s   
最大沈下率   -5.9m/s  
獲得高度   1450m(a.s.l.)


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