「初飛びレポート」 BY 伊藤 (02/09/07)


 風向きが悪くてダメ、風が強すぎてダメ、で2週延びた3度目の挑戦の朝、大阪は曇っていたが途中篠山あたりで豪雨、今日は雨でダメってか?でも行かなきゃ飛べない。とりあえず向かう。青垣の雨は上がっていた。

 午後からは飛べそうだ。装備を一式準備してシミュレータにハーネスを着けて座り直し、体重移動の練習。昼前に山頂に上がった。でも風が強く待機。結局、一度降りて昼食。「夕方には風が穏やかになるから」と校長。しばらく時間があるので、自転車を借り佐治を探索。普段、車で通った事のない山側の道を通り道の駅へ、そこから反対側の川沿いの道でグリーンパークへ。快適なサイクリング日和となってきた(違うって!)。

 今日もたくさんの人が練習している。山の風が悪ければ多分ここにいたであろう。この夏、汗と土と草の汁でドロドロになったグリーンパークから開放されただけでも救いだ。ちょっと余裕でみんなの練習を見学。しばらくすると休憩になって、のんちゃんが「山、飛び始めたみたい」「エーッ!マジーィ!」あわてて校長の元へ「戻って山に上がって」。自転車を飛ばして事務所へ。『よかった』まだみんな準備中やった。

 山へ上がる。風は良くなっていて用意のできた先輩方が次々とTakeoffしていく。しばらくして長野さんから「用意して」と声がかかる。グライダーを広げ、ラインチェック、ライザーをハーネスに装備して準備OK!構えたまま風待ち。なぜか緊張していない。『失敗するはずはない』『飛べないはずはない』と妙な自身。でも集中はしている。長野さんをじっと見る。

 初めてパラグライダーで飛んだのは、10数年前、神鍋でだった。仲間10人位で一日体験に行き午前中ライズアップの練習して、午後からグリーンパークより急な斜面に登り、補助無しで一回目から飛べた。感動した。自分は、パラをするために生まれてきたんじゃないかと思った。(最近、幾度となく聞くこととなる似たようなフレーズ)

 その後何度か友人を誘ってパラを始めようかと計画しては実現せず、あの感動が忘れられず、ずっとやりたいと思い続けて何年も過ぎたある日の夕方、テレビをつけるとパラが映っていた。が、すぐに画面が変わり「青垣町からパラグライダーの中継でした」と言っていた。パラをやりたいという思いが、また大きくなりさっそくパラチャレを買ってきた。

 どこにしようかなと眺めていると、一つの絵が目に付いた。それは絵でなく「来れるものなら来てみなさい」的、地図だった。『よっしゃ!行ったろう』と、その挑発にまんまと?乗り、今ここにいる。

 「行こう!」と、言われた瞬間グライダーを立ち上げ、2,3歩踏み出しただけで飛んだ。『オォ!飛んだ!』『まずは、ハーネスに座り直してと』最初Takeoffの姿勢から膝を上げての座り直しがなかなかできなくて、のんちゃんの個人授業で汗だくになってようやくマスターした。

『よし!簡単にできた』
『次は右にむかうんやな』右に体重移動して『あれ?』体重移動できない。シミュレータと違う。反対側に振られる。
無線で「右に向かって」
『今、向かおうとしているのに・・・』ブレークコードを引きなんとか右に向いた。
「伊藤さん、確認」と、校長の声。「右へ、ランディング場に向かって」
『ランディング場は・・?あの交差点が小倉?だとすると・・あっ!あった、小っちゃあ』たくさんの人がいるのはわかるけど誰が誰やら。
「そう、そのまま尾根の上を行って」
『エッ?どっちの?こっちでいいの?』
「脇を締めて」キュッ!
「そう」
『エッ?マジで見えるの?』噂には聞いていたけど、校長恐るべし。
「そのまま川沿いにまっすぐに行って。景色を楽しんで」周りを見渡してグライダーを見上げる。
『ホンマに、これだけで飛んでんねんなぁ』改めて、感動!その後右へ左へ旋回を繰り返しランディング場が近づいてきた。

「スタンディング!」「いっぱい引いて!」と指示通りに・・・フワァとソフトランディング。

いっせいにみなさんからのたくさんの拍手、また感動!

 校長、長野さん、ゆかさん、のんちゃん、時々パンツ一丁という信じられない姿でグリーンパークに登場し、適切なアドバイスをしてくれたヤナイさん、そしてランディング場で、温かい拍手を送ってくれたみなさん、ありがとうございました。これからもお願いします。

 ヤッパリ、パラは良い!ヤッパリ、パラを始めて良かった!!


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