スペインの熱い風がおみやげ!? by  3年 へいじつ組  藤森 勉 (01/07/04)


それは世界選手権の応援に行ってた校長が、スペインから帰って来た次の日の7月4日、日本では梅雨の晴れ間と言われる日でした。

 いつもの様に南テイクオフより11時に風速2〜3mで飛び立つ。すでにサーマルは活発で、鉄塔上空までにさほど時間はかからない。 今日はどれくらいまで上がるんだろうかと、一番上がりそうなサーマルのポイントを探すが、裏山から丹波少年の尾根の方はあまり上がりそうにない。 結局、鉄塔裏あたりが良さそうで、ふわっ〜と上昇してくる暖かい空気を体感できる。上空は西よりの風。高度は対地(ランディング0m)で1100mくらいまでだ。

 なんだかんだで1〜2時間経った頃だろうか、校長から無線で皆に、 「今日は他に走っても上がらないから、岩屋から動かない方がいいよ」 とアドバイス。 確かにどこにでもサーマルがあるコンディションではない。ちょっと外すと下がってしまう。 そして、「滞空時間の自己記録をねらったら」 と。 さらに、「今降りたら下は36℃の酷暑や、上空20℃の世界に住んでると思え」。 そんなとこ降りとうないわ、とこの時はまだ涼しい顔。

 そんなこんなで、動けないのも贅沢な退屈で、デジカメで田中さんやミドリンの飛んでるのを撮ったりしつつ、テイクオフしてから4時間くらい経った。 歳のせいか、気温のせいかトイレがしたくなってくる。そういえば、朝のトースト一枚から何も食べてないし、一応自己記録(2時間半)も更新したし・・・ まっ、もういいか〜。

 やや傾いた太陽の日射が、前山〜大箕山を強烈に浴びせている。よし前山に行ってみてだめならランディングしよう、と半ば気持ちは降りつつ向かった。 ピピピー! けっこう上がるやん。前山〜大箕山上空で対地1500mくらいで、田中さんもこちらに渡ってきた。 ここから1時間余りのあいだ粟鹿山の手前まで行ったり、南テイクオフ〜大箕山を2往復したりしたが、大箕山周辺も徐々に上がらなくなってきた。

 校長からの無線に、もうそろそろトイレに行かないと危ないと答えると、 「記録とおしっことどちらが大事だ〜!?」 とか励まされ、 「濡れるくらいなんだ、そこでしろ!」 とも激を入れられた。岩屋の滞空時間記録が7時間オーバーとかで、今日はその記録に挑戦できる滅多と無い日だとか。

 すでに5時間以上は飛んでて、せっかくだからと下半身を引き締め、もう行けるとこまで行くぞ〜! アーベントも出て、テイクオフ〜鉄塔下間の岩屋の尾根上をひたすら行ったり来たりのまるで時間稼ぎ。 高度が落ちてきてもうだめかと思ったら、5時過ぎなのに二つ目のコブでサーマルゲット。

 とうとう最後はスペインみやげのワインが待ってるという誘惑に緊張の糸も切れてしまったが、ハーネスも濡らさずに無事ランディング。 本当にスペインの熱い風が岩屋にやって来た一日だった。

 6時間半という自己ベストは自分一人では絶対に出せなかった記録です。途中何回も切れそうになったり、諦めそうになったりした時、校長やTAKの仲間達の応援でファイトが出ました。ありがとうございます。 そして自然のめぐみに感謝!

P.S. ヨーロッパ転戦中の正ちゃん、このあとのレースも頑張ってね〜!
     そして元気に帰って来て下さい!!


[ホームへ][クラブニュースへ]