「ファーストソロフライトレポート」　千田さん

２００９年１２月２５日クリスマスの日、念願のファーストソロフライトに成功いたしました、そう若くはないもない中年男です。テイクオフ(飛び立つ) 後の心境は、緊張以上の感動です。日々の悩みやストレスなど考えている暇などありません。感動と共に、初フライトまでの心技体すべてを支えてくださったスタッフやメンバーのみなさまに感謝の気持ちでいっぱいです。と、ここまでのレポートは、おそらく他のメンバーさんとも大差はないと思います。そこで、私のレポートでは、ＴＡＫに入校して約半年、ど初心者ならではのパラグライダーの効能についてご紹介します。これから、スカイスポーツをたしなんでみた〜い方、必見ですよ。

パラグライダーの効能

１．心技体バランスのとれた大人のスポーツ

パラグライダーを始めるのに、マラソンランナーのような持久力、空手家のような筋力、野球選手のような瞬発力、（本当は少しずつ満遍に必要なのですが）はいりませんが、適度なモチベーション（意欲）が必要です。このモチベーションを維持すること、そしてパラグライダーを続けることにより、極めて有意義な効能が私たちに施(ほどこ)されるのです。（この辺りからは、常に校長が常々、語られている「おやじギャグ混じり」の熱弁を、私なりに咀嚼(そしゃく)したものです）

たとえば、体力（健康）、これまでタバコを日に４０〜５０本吸っていた方が、初フライトを契機に一切、やめた方がおられます。ダイエットされた方、酒の量を減らされた方、家族円満になった方、ジョギングを始められた方など、自信の健康に極めて気をつけるようになります。

次に技術（知識）、グライダーの操作だけではなく、風を読み取る力、航空力学、気象、様々な知識が必要です。ちなみに、深い知識が無くても、ＴＡＫでは、サポートがしっかりしているので飛ぶことができます。しかし、技術を深めれば深めるほど、楽しさは倍増していきますし、パイロットとしての自覚が出てきます。（奥が深い）

そして最後に、心身（精神）、スカイスポーツと向き合う心構えです。高さ３０ｃｍに設置してある、長さ１０ｍの平均台を歩いて渡るのであれば、何も考えずに誰でも渡れるでしょう。しかし、その高さが３０ｍになれば人間はいろんな事を考え出します。なんて事が本に書いてありました。パラグライダーも同様の心理が働きます。でわ、どの様に向き合っていくのか、向き合ってきたかと言うと、「自分が今、空に向かってテイクオフするんだ。・・」「さあ、これから、着地するぞ。」とイメージしながら地上（グリーンパークと言う芝生広場で）で練習を重ねます。地道な練習が近道であり、心を強くしていきます。

ちなみにＴＡＫでは、開校以来約２０年間、一人としての死者や重体者は出ていないとのことです。

これらの心技体がバランス良くかみ合って、適度なモチベーションが醸(かも)し出されます。そして、適度なモチベーションの維持こそが、体を健康にし、知識を探求する楽しみを与え、ストレスに負けない心を育(はぐく)んでくれるのです。

２．新しい仲間が増えます。異文化交流の場

私は人前でしゃべるのが、特に１対１でのおしゃべりは苦手です。相手が不快ではないか、自分がどう思われているのかなどを、つい考えてしまいます。しかし、このＴＡＫのメンバー間には不思議とそう言った壁がありません。決して、メンバーとしての手前みそではありません。よく、パラグライダーは個人競技、自己責任スポーツなどと言われがちですが、ここでは、完全なチームスポーツとしての精神が徹底されています。(正一郎先生の受け売りですが)ラグビーで言う「一人はみんなのために、みんなは一人のために」に極めて近い空気です。このためか、技術面で若い女性にしかられても素直に聞けますし、年上の方にも素直に意見が言えます。きっと、背景にスカイスポーツが持つ緊張感からくる連帯感かもしれません。ともかく、新しい仲間がすぐに造れますよ、本当に。

３．アラ還（約６０歳）など、まだ若造、生涯スポーツ

そして、このクラブに入校して一番始めに感じたのは、年齢層の幅が広いいことです。時間的余裕、そして初期投資にある程度の経済力は必要なものの、平均年齢はおそらく６０歳前後でしょう。このことは、他の大きなクラブでは共通項の現象と聞いています。ＴＡＫには典子先生をはじめとして、若い女性も大勢おられますが、大人の生涯スポーツを始めてみませんか。

さいごに

長々と偉そうに書き綴りましたが、私自信も２０才３０才４０才と年代の各節目ごとに、女性が年代を超える時に言いしれぬ焦りを感じると言いますが、それとよく似た感覚で、「自分の人生これで良いのか、何かしなければいけないのでは」という強迫観念に苛まれてきました。そして、その都度、種々の自分探しをしてきました。

テニスにスキー、つりに家庭菜園、お料理に陶芸、万葉集に社交ダンス、犬を拾ってくるなどと、数えたらきりがありません。当然に、連戦連敗です。かつての阪神タイガース状態。そんな中、このパラグライダーとの出会いは人生の有終の美を飾る１勝かもしれません。これからも、「すこし愛して　なが〜く愛して」いきますので、スタッフやメンバーのみなさんよろしくお願いいたします。そして、これから未来で出会う新メンバーのみなさん、楽しい出すよ。『千代大海に似ていると言われる千田でした（本人は織田裕二と思っています）』