ファーストソロフライトリポート By 小松浩樹

ついにその日がやってきた!
ひと月前に「風さえよければ次に飛ぶよ」との予告を受けたものの、夏休み中は子供たちが家にいるので父親の趣味につきあわせてばかりという訳にもいかず、キャンプに登山、プールにお祭りと延べ日数14日も子供と一緒に遊んだので、あれからスクールには2度顔を出すだけにとどまりのびのびになってしまったマイファーストフライト!(風が悪くて滝遊びしたことが子供たちには大好評でしたが)

9月16日(金)いつもより早い8時半にTAKに到着。
なんとなくファーストフライトの予感!
すかさず好調(校長)から「今すぐ行きましょう」の言葉。しかし私の心には初めてデートで彼氏に手を引かれてオバケ屋敷に誘われる女の子のごとく、ちょっと怖い、でも行ってみたい、といったビミョーな心理状態であった(ほんまかいな)
 

風が悪くなりそうな予感の中、大慌てで準備をして車に乗り込んだ。
車中では私の緊張を和らげる為か、しきりに好調(校長)が○ジャレをとばす(いつものことか、、、)何度も登った山頂の景色がいつもとは違って見えた。

いかん!しっかりしろ!!

40とン年間、様々な危機に直面したときも切り抜けてきた「練磨の感覚」を取り戻せと自分に言い聞かせながら念入りにしかも手早く身支度する。
ランディング誘導の正ちゃんから「先にベテランを飛ばしてください。」とのことで扇澤プロがTAKEOFFした。

扇澤さんとは8月18日に子供をつれてTAKに来たとき、一緒に滝つぼへダイビングしており、7mのジャンプ台から飛び込んだ息子と私を「あの思い切りのいい子供さんのお父さんですか?」と覚えていて下さった(参照:今日のTAK8月18日)。
おまけにファーストソロフライトを空中で写真撮影までして下さっており、大変貴重な記念になりました。扇澤さん、ありがとうございました。

 


いよいよ自分の番だ。
そこで好調(校長)が一言「ぜーったいに大丈夫ですから!」といつもの訛り。
ふっと安心感が広がる。
そして態勢が整うや否や「さあ行きましょう!」と何の躊躇もなくいう好調(校長)。

しっかり反応しすばやく翼を立ち上げる。
講習場で地獄の特訓(うそ)にともに耐え抜いた愛機Primaxはがっちりと風をつかみ「さあ行け!」とせきたてる。
しっかりと大地を踏みしめ走り出す。
拍子抜けするぐらい簡単に宙に舞う。
あっと思う間に眼前は大きく広がる。

雄大な景色

その間には初めてTAKへ訪れたときのこと、好調(校長)との一日3回のタンデム、真夏の講習場でののんちゃんとの一対一特訓などが走馬灯のように脳裏を駆け巡った。

 


「うわー、やったー!飛んでいる!!」

難なくハーネスに座り、周りを見渡す。
タンデムでは味わえない特別な感覚や開放感に浸る。
町を見下ろし、叫びたいような気持ちになる。

おーっと落ち着け、落ち着いて無線をよく聞くのだと自分に言い聞かす。
指示に従おうとするが間接の錆びた操り人形のように動きがぎこちない。
くぐつ節は熟練の正ちゃん先生!
いよいよランディング、緊張の瞬間!
ターゲット付近まで誘導され、無事下界へ降り立った。
とりあえず生きて着陸することが目標であったがハーネスにも座れたし、こけずにランディングというおまけもついた。(レベル低すぎ。。。)
どんな絶叫マシンよりも、もっともっとエキサイティングな今までに体感したことがない感覚。最高に楽しかった。

 


思えば福知山方面へドライブに行くついでに、軽い気持ちで立ち寄ったTAKパラグライダースクール。
月曜日だったにも関わらず、たまたまテレビの撮影のためにいたスタッフ。
いろいろな偶然が重なり通うようになった。
顔見知りもでき、声をかけてもらうようになり、様々な人との交流ができた。
TAKが仕事に疲れた精神をリフレッシュさせ、リラックスさせてくれる。
まったくもって素晴らしいスクールだと思う(これぐらいほめたらいいか。。。)

しかしいつまでも余韻に浸っているわけにはいかない。
なぜならば、このフライトは壮大な目標の第一歩にしか過ぎないのだから。

最後に私のファーストソロフライトに関してお世話になった方々にこの場を借りて厚く御礼を申し上げたいと思います。

ありがとうございました。

小松浩樹